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『水を打つ(上)(下)堂場瞬一スポーツ小説コレクション』個性派スイマーたちが挑む、奥深いメドレーリレーの世界。

2018/08/01

 競泳は個人競技だ。泳法を選び、距離ごとに設けられたレースにエントリーが許されれば、あとはロープに区切られたコース内を泳ぐだけ。一番早いタイムを出した者が一位に輝く。究極の、我が道を行くスポーツではないだろうか。

 そう思っていたのだが、チームワークを求められる種目もあった。メドレーリレーだ。本書はこのレースを縦糸に、物語がぐいぐい進む。日頃、独立独歩の選手たちがどう立ち向かうのか。果たして協調性はあるのか。ないのか。


 好奇心いっぱいで読み進めれば、期待通りに個性派が顔を揃える。日本記録保持者であるが、世界記録に遅れを取っている自由形選手。ボディビルダーのように、鍛え抜かれた肉体を誇る背泳ぎ選手。勝ち負けにはこだわるが基本的にクールな理論派のバタフライ選手。

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photograph by Sports Graphic Number

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