優勝を決めたソフトバンクのデニス・サファテは今年、年間セーブ数の日本プロ野球記録を樹立した。最終的な記録がいくつになるかまだ分からないが、9月20日時点(以下同じ)で51セーブとなっており、従来の記録だった46セーブを大幅に上回った。これまでの記録は岩瀬仁紀(中日)と藤川球児(阪神)が保持していたものだが、今年のサファテは、岩瀬、藤川のセーブ数を上回ったというだけではなく、内容においても充実していた。救援投手の年間記録として、特筆すべきものである。その記録の内容について、詳しく検討してみたい。
救援投手の価値を見きわめるための要素はいろいろあるが、まず防御率について見ると、46セーブを記録した時の岩瀬は1.88、藤川は1.63だった。サファテは1.14。最終的にも岩瀬、藤川を上回る可能性が大きい。次に、救援の成功だけでなく、失敗がどれだけあったかも重要だ。完全な失敗というのは敗戦の数ということになるが、サファテは年間63試合の登板で2敗。岩瀬は60試合の登板で2敗と同等だ。藤川は71試合で5敗だった。防御率はよく、敗戦につながった試合は少ないという、救援の内容としては重要な2つのポイントで、サファテは価値のある内容だった。
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photograph by Kyodo News