#936
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<4人の先発投手の奮闘>黒田のいない136試合。~野村祐輔/大瀬良大地/薮田和樹/岡田明丈~

2017/10/01
 昨季25年ぶりの優勝を置き土産に黒田博樹が引退し、エースの座を巡ってしのぎを削った若き先発投手たち。
 連覇は彼らの切磋琢磨なくしてなしえなかった。

 広島投手陣が周囲の予想を見事に裏切った。下馬評は決して高くなかった中で、37年ぶり連覇。大黒柱不在の先発陣は、強力な攻撃陣や生きのいい中継ぎ陣のサポートを受けながら、若い力が躍動した。

 昨年まで絶対的な存在だった黒田博樹が引退。登板24試合で10勝という数字以上の喪失感は「黒田ロス」とさえ言われた。さらに開幕直後には沢村賞左腕クリス・ジョンソンまで離脱の事態に陥った。だが、広島の若手投手は「僕らにとってはチャンス」と奮い立ち、しのぎを削った。


 台頭したのが、3年目の薮田和樹であり、2年目の岡田明丈。大瀬良大地も復活した。野村祐輔を含めた4人の平均年齢は25.5歳。馬力はあるが、安定感を欠く。頂点までの道のりは昨年と大きく異なる。黒田とジョンソンの左右の大黒柱を両輪に安定した戦いで頂点まで上りつめたのが'16年ならば、今年は4月に10連勝、9月に9連勝と加速力はあっても、一方で9点差逆転負けや3戦連続サヨナラ負けなど急失速する脆さもあった。2人でも3人でも足りない。4人いたからチームを支えることができた。頂点に立つまでの136試合、まるで補い合うように、4人がチームを支えてきた。

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photograph by Nanae Suzuki

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