今年のマスターズを見ていて、大きく心を動かされたことが2つありました。まず、セルヒオ・ガルシア(スペイン)がメジャー74度目の出場で初優勝したこと。彼に初めて会ったのはアメリカPGAツアーにいた時なんですけど、とにかくやんちゃで感情表現が激しくて、いつも自分に対して怒りをぶちまけていた。自分に向けて放送禁止用語を浴びせるので周りからは「あいつは、おかしいんじゃないのか」という視線で見られることも。会見で中指を立てたこともありましたね。
でも本当はすごくあったかい男なんです。ゴルフ場で会えば「マル、ゲンキデスカ」と拙い日本語で挨拶してくる。どんなに自分の調子が悪くても、同じ組の僕がパーを取れば「ナイスパー」と声をかけてくる。ガールフレンドができると必ず紹介してくれて、テニスの元世界王者(マルチナ)ヒンギスと付き合っていた時も「マル、俺のガールフレンドなんだ。テニスは見たことあるか?」と会わせてくれた。1度、2人がテニスをしているのを見たことがありますが、セルヒオがヒンギスと互角に打ち合っていたのには驚きました。彼も僕も父親にずっとゴルフを教わっていたことや、米ツアーで戦う外国人同士という共通点があったからかもしれませんが、年が10歳離れていても本当に仲が良かったんです。
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