#889
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<世界を魅了したロス・プーマス> 心の勝者、アルゼンチン。

2015/11/13

 アルゼンチンはアルゼンチンだ。直角に膝を曲げるスクラム。牛の群れが岩と化すモール。聖堂の鐘をぶつけるようなタックル。楽天的なのに容赦がない。ロマンチックで残忍。空を舞い塹壕を掘る。

 そしてアルゼンチンは新しいアルゼンチンでもあった。楕円球を手から手へ渡し、タッチラインのそばを痛快に抜き去る。キックと衝突を繰り返す旧来の戦法は封じた。されど痛覚を捨てて体を張る「古き精神」は手離さない。今大会のアルゼンチンは「登録選手のすべてが、その国生まれである唯一の存在」(スター紙)。大半が欧州の一流クラブに属しているのに代表の独自性は揺るがない。スタイルを変えても湧き上がる情熱と闘争心は不動だ。

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photograph by Shinji Akagi

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