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千葉洋平(フェンシングの分析・戦略立案)~スポーツの現場で働く“プロ”に直撃!~

2015/06/23
 ロンドン五輪では男子団体の銀メダルに貢献。日本フェンシング界を陰で支えるプロフェッショナルとは?

 2012年ロンドン五輪前、千葉洋平はフェンシング日本代表(男子フルーレ)のオレグコーチから重要な任務を課された。

「中国の雷声の弱点を見つけてくれ」

 日本は身長192cmの雷を大の苦手にしており、'08年以降、一度も勝ったことがなかった。日本が団体でメダルを掴むには、この巨大な壁を乗り越える必要があった。


 分析部門を一人で担う千葉は、何度も映像を巻き戻し、あるデータを弾き出した。

「雷が日本人相手にあげた得点の77%がアタック(先制攻撃)である」

 フルーレの攻撃はアタックのほか、いずれも反撃を意味する「リポスト」「コントル」と「ルミーズ(追撃)」の4タイプに分けられる。日本は雷戦で、4つのうちアタックばかりでやられていたのだ。この分析を受け、日本は逆に先制攻撃を狙う戦術を採用。フルーレ団体の準々決勝で中国と対戦すると、三宅諒が第5試合で雷から4連続ポイントを奪い、さらに第9試合で太田雄貴がリードを守り切り、中国を撃破することに成功した。

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photograph by photographs by Shinya Kizaki

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