スタジアムに響きわたる澄んだ声は、試合の円滑な進行に欠かせない。美声の主が歩んだ茨の道とは?
球場に鳴くウグイスの音色は涼しげだ。照りつける陽射しの下で耳にするウグイス嬢の声は、野球観戦の清涼剤である。
藤生恭子さんはプロのウグイス嬢として活躍するかたわら、日本唯一となるウグイス嬢を養成するアナウンススクールを運営している。「こどものころから野球が大好きで、野球関係の仕事に就くのが夢でした」という藤生さんにとって、いまの仕事は天職だろう。
「でも、最初からウグイス嬢を目指していたわけではないんですよ。大学卒業後に働いたのは日刊スポーツの記録部という部署。記者が取材現場から送ってくる野球やサッカー、競馬などのデータを紙面掲載用にまとめる仕事でした。仕事は楽しかったけど、わたしも現場に出てみたいなと思っていたときに、ネットでラジオパーソナリティ募集の記事を見つけた。これは面白そうだと応募したんです」
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photograph by photographs by Satoshi Ashibe