8月26日、ロシア・チェリャビンスクで行なわれた柔道の世界選手権66kg級で海老沼匡(まさし)が優勝した。2011年から同大会3連覇である('12年は五輪のため開催なし)。日本男子では山下泰裕、井上康生らに続く5人目、軽量級では初という事実がその価値を物語る。
印象的だったのは準々決勝だ。海老沼は最大の難敵ザンタラヤを相手に積極的に攻め続け、技ありを奪う。ところがその判定が覆り、ポイントなしとされる。それでも落ち着いて戦い抜き勝利。続く試合でも安定した柔道を見せた。
海老沼はロンドン五輪では3位に終わっている。大会後、行き着いた敗因は心の安定感だった。旗判定にもつれた準々決勝では一度は相手に旗が上がったもののやり直しとなって結果が覆り、場内は騒然とした。その動揺を準決勝に引きずったことが響いたと捉えた。それを思えば、まぎれもなく成長を見せたのが準々決勝以降の戦いぶりだった。
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