#854
巻頭特集

記事を
ブックマークする

<今季NBAを最も沸かせた男> ケビン・デュラント 「初MVPは涙と共に」

“2番手”としての自分と決別すべく、戦い続けたシーズンだった。
全選手の頂点に輝いた今季は、これまでと何が違ったのか。自然体の
トッププレイヤーは、“人生において大切なこと”を見つけたという――。

 その時、ケビン・デュラントはゴールに背を向け、床に座り込んでいた。

 ウェスタン・カンファレンス準決勝、対ロサンゼルス・クリッパーズ第5戦。勝ったチームがシリーズに王手をかける大事な試合だった。

 奇跡の追い上げを見せていたオクラホマシティ・サンダーに、試合残り6.4秒、2点ビハインドの場面で逆転のチャンスが巡ってきた。クリッパーズのクリス・ポールのファウルで、ラッセル・ウェストブルックに3本のフリースローが与えられたのだ。

 デュラントが床に座り込んだのは、その時だった。ウェストブルックがフリースローを打とうとしていたサイドから遠ざかり、彼に背を向け、反対側のエンドライン近くの床にペタっと座り込んだ。フロアを見つめ、その後顔を上げて、エンドラインのサンダー・ファンが喜んだのを見てフリースローが決まったことを確認すると、ガッツポーズで喜んだ。

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Getty Images

0

0

0

前記事 次記事