日本のスポーツ界に新しい可能性を感じさせてくれたソチオリンピック。中でも最も僕の心を震わせた選手がいた。スノーボード競技で日本人女性初、そしてアルペン種目としては58年ぶりにオリンピックのメダルを獲得した竹内智香さんだ。初めて出場したソルトレイクシティからメダルに辿り着くまでの12年間。彼女が切り拓いてきた道のりには、日本人が世界で飛躍するための大きなヒントが隠されていた。衝撃は智香さんの一言目から走った。
「日本人って、“快挙”とか“初”がすごく好き。世界で通用する選手がいないのでベスト16、8に入ったらすごい、とされ、表彰台にあがったらなおさら。目標が低いところで“おめでとう”と言われることが日本人の成長を止めている」
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photograph by Naoya Sanuki/JMPA