4月に行なわれた日本水泳選手権で、萩野公介が史上最多の5冠を達成した。これがどれくらい価値のあることで、彼がどのような可能性を秘めた選手なのか、じっくりと考えてみたい。
まず、萩野が優勝した5種目のタイムを、ロンドン五輪に当てはめると何位に相当するのか、見ていくと次のようになる。
400m個人メドレー 銀メダル
200m個人メドレー 銅メダル
400m自由形 4位
100m背泳ぎ 5位
200m自由形 6位
個人メドレー2種目はいずれも日本記録を更新しての優勝。その他の3種目も自己ベストを更新しての優勝だった。自己ベストを出せなかった200m背泳ぎも入江陵介(ロンドン五輪銀メダル)に続く2位に入り、これもロンドン五輪の結果に当てはめると6位に相当するタイムだった。これらはすべて、4日間で6種目というスケジュールの中で出した記録だけに、萩野はすでに、世界クラスのマルチスイマーになったと言っていいだろう。
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photograph by Daiju Kitamura/AFLO SPORT