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期待の新人・野村祐輔は 「己の武器」を知る男。 ~広島・大野豊コーチの評価は?~

2012/04/19
セの新人として一番乗りで白星を掴み、捕手の倉義和からウイニングボールを受け取る野村。

「今年の広島を甘く見ると、大変ですよ」。

 キャンプ取材で出会った広島OB、達川光男の言葉だ。

 前田健太、篠田純平、バリントン、福井優也、大竹寛という日米ドラフト1位5人衆に、明治大学の野村祐輔が加わった先発陣は完璧だと言うのだ。

 新人を星勘定に入れるほど、プロは甘くないのでは、と思いつつ、大野豊投手コーチに聞いてみると、こんな答えが返ってきた。

「普通の新人じゃない。キャッチボールの時から低めを意識しているんだから」

 野村は、東京六大学史上7人目の通算30勝、300奪三振を達成、昨年のドラフトでは東海大の菅野智之、東洋大の藤岡貴裕とともにビッグ3と呼ばれた逸材。成長のきっかけとなったのは、広島・広陵高3年夏の甲子園決勝だった。初優勝まであと一歩に迫っていた4対1の8回裏、満塁弾を浴び、9回、最後の打者として空振り三振を喫し、佐賀北に敗れた。あの夏以来、“力任せ”を放棄し、“冷静に低めに”を心掛けて、大学の4年間を過ごしたのだという。

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photograph by KYODO

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