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<2012世界卓球プレビュー> 石川佳純 「芽生え始めたエースの自覚」

2012/03/25
日本の女子卓球界は、かつてないほどに充実期を迎えている。
牽引するのは、着実に成長を遂げてきた世界6位の若きエース。
悲願の五輪メダル獲得に向け、前哨戦となる世界卓球に挑む。

 石川佳純と福原愛は、言うまでもなく日本卓球界の「顔」である。その存在の大きさが、今年はピークに達するだろう。ロンドンで、卓球界初の五輪メダルを目指す女子日本代表の二枚看板というだけではない。ともに小学生の頃から注目され、成長を続けて日本のトップに立ち、卓球界の歴史でも、かつてない知名度を獲得した2人が、全盛期にそろって大舞台に挑む――こんなことは、卓球界にとって、めったにあることではない。

石川と福原が組むダブルスは、五輪団体戦でメダル獲得の鍵を握る。                                    

 しかしロンドン五輪までには、まだやっておくべきことがある。最大のテーマは3月25日に始まる世界卓球選手権(ドイツ・ドルトムント)だ。今年は団体戦で、石川が日本のエースとなって迎える最初の世界選手権団体戦。五輪でも団体戦のメダル獲得を最大の目標にしている日本にとって、とりわけ重要な大会だ。五輪の前哨戦というだけでなく、ロンドンに向けて具体的な意味を持っているのである。

 世界選手権の団体戦は、5人でチームを組み、試合ごとに3人が出場、シングルスのみの5試合制という形式だ。日本女子は5大会連続で銅メダルを獲得しており、今回は準決勝の突破、銀メダル以上が期待される。メンバーは石川、福原のほか、3人目の五輪代表に事実上決まっている平野早矢香、最年長29歳で全日本選手権準優勝3度の藤井寛子、そしてカット主戦型の石垣優香だ。

チームランキングを世界3位から2位に上げることの重要性。

 団体戦ではあるが、シングルスだけの戦いなので、世界ランキングで自分より上の選手に勝てば順位は上がるし、下の選手に負ければ下がる。このランキング争いが、ロンドン五輪に向けて重要なのである。

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photograph by AFLO

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