秋風が吹くころ、優勝争いから脱落したチームで行なわれるのが、戦力外通告だ。今年も阪神の下柳剛、オリックスの田口壮と40歳を越えたベテランの名があがった。そして楽天の山崎武司もその一人に加わった。山崎はあえて任意引退を選ばず、本塁打王のプライドを捨てて、現役続行できるチームを探すのだという。
毎年キャンプの時期、山崎は「結果が残せなければ引退するしかない」と語るのが口癖だった。そう言いながらも「まだやれるよ」という相手の反応を待っているのが伝わってきた。「辞めたくない」という気持ちをエネルギーに変えている男だった。
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photograph by Hideki Sugiyama