日本の競馬史上に名を刻んだ3冠馬は、1941年のセントライトから'05年のディープインパクトまで、僅かに6頭しか存在しない。皐月賞とダービーを図抜けた素質と勢いで制すことができたとしても、最終関門の菊花賞(芝3000m、GI)の前には「夏を無事に越す」という何気ないハードルが置かれていて、それが決して易しくない。幾多の名馬たちが挫折を繰り返してきた歴史がそのことを証明している。
今春はオルフェーヴル(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎、父ステイゴールド)が、皐月賞トライアルのスプリングSを一気に差し切った勢いに加速をつけて、そのまま2冠馬に輝いた。しかしこの馬、デビュー勝ちを飾りはしたものの、その直後には苦い敗戦を4回も続けてしまった過去を持っている。その時点では、いまの姿を想像することなど誰にもできなかったはずだ。
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photograph by Yuji Takahashi