ロシアに敗れたものの、2位で予選を突破し、決勝ラウンドへ進んだ。
メダルを懸けた激闘を、エースが振り返る。
11月14日、全日本女子は世界選手権で、32年ぶりとなる表彰台に上った。銅メダルの立役者が、木村沙織であることを疑う人はいないだろう。全日本は、木村がスパイクとサーブレシーブを高いレベルでこなすことによって、成立しているチームだ。
スパイク打数 505
サーブレシーブ数 406
サーブ打数 191
これは彼女が今大会で残した数字である。すべて参加全選手中1位。すなわち、木村は最もスパイクを打ち、最もサーブを受け、最もサーブを打った選手だった。得点ランキングは2位、サーブは4位、スパイク決定率も40%を超えた。サーブレシーブをこなすアタッカーとしてはトップクラスだ。
彼女はいかにして、全日本を世界3位に導いたのか。所属チームの東レに戻った木村を、滋賀に訪ねた。
――以前から「メダルを懸けた試合をしたい」と言っていました。今回初めて、その舞台に立ちました。
「準決勝のブラジル戦は、自分の調子もよかったし、勝ちにいくという雰囲気がチーム全員から漂っていました。ブラジルは『今日の日本はなんか違うぞ』、逆に日本は『押してけ、押してけ』。もしかしたら勝てるかも、と感じながら戦っていました」
――第1セットを25-22、第2セットもデュースの末35-33で取りました。
「3セット目もリードしていた。日本はずっとサーブで攻めて押していたのが、3セット目は、ほんのちょっとのところなんですけど、サーブミスになって点数(5失点)をあげてしまった。やっぱりブラジルは強いですね。立ち上がりがよくなくて、流れも日本だったのに、ひっくり返してくるところはさすがだな、自分たちはまだまだ甘いなと思いました」
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