売り上げの落ち込みと古馬一線級の層の薄さが悩みの種となっているのがいまの競馬界。2つの要素に関連があるかどうかは定かではないが、馬の質の向上については、3歳世代の層の厚さにはっきりとした形で見え始めている。象徴的だったのは先日の天皇賞。4歳牝馬ブエナビスタが圧勝をおさめたが、2着には3歳馬ペルーサが突っ込み、4着にも3歳牝馬のオウケンサクラが頑張った。来年はこの世代が年長組を圧倒する活躍で盛り上げてくれるのではないか。
2歳世代もいい。来年のクラシックが見えた、という抜けた存在はまだいないが、それは不作なのではなく豊作すぎるから。粗くても粒の大きい好素材が続々と出てきて目移りしてしまいそうな状態なのだ。12月19日に中山競馬場の芝1600mで争われる、朝日杯フューチュリティS(GI)で勝利をおさめた馬が一応の世代ナンバーワンと評価されるわけだが、年の瀬の25日に阪神の芝2000mで行なわれるラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)にもすでに相当数のクラシック候補たちが出走を表明している。賞金の多寡や2歳時点での評価より、レースの施行距離を重視しようという考え方。来年の皐月賞やダービーにつながる競馬をこの時期から睨んでいる馬がたくさんいるのだから、実に頼もしい。
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