阪神のルーキー、秋山拓巳の初登板は8月21日の巨人戦だった。だがプロの世界は甘くない。6回を投げて4失点、というホロ苦いデビュー戦に終わった。マウンドから降りた秋山は、タオルをすっぽりとかぶって「悔しい」と、ひと言だけ漏らすと、そのまま泣き出してしまった。それから7日後のヤクルト戦では5回を投げ、1失点。高卒1年目ながらプロ入り初勝利を上げると、ここでも「嬉しい」と涙を見せた。
両親が「泣きのタクちゃん」と言うほど涙もろい新人が、今年の阪神投手陣の救世主である。
今季、西条高からドラフト4位で阪神に入団。その時、秋山が強く意識していたのは、広島の今村猛と西武の雄星のドラフト1位コンビだった。昨年のドラフト会議で自分の名前がなかなか読み上げられず、4位指名となって悔し涙を流したことも影響しているのかもしれない。
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photograph by NIKKAN SPORTS