7月10日、灼熱の太陽が照りつける沖縄市の屋外50メートルプール。24歳の女子フリーダイバー、廣瀬花子が、潜水で泳ぎ続ける「ダイナミック ウィズフィン」(以下、ダイナミック)競技を行なっていた。彼女の泳ぐスピードに合わせ、人々の群が、熱に焼けたプールサイドを往復しながら選手の姿を覗き込む。中には、同競技の日本記録保持者である平井美鈴、フリーダイビングを日本に広めた松元恵の姿もあった。何度か目のターンの後、廣瀬はプールの中程、177メートル地点で水面に姿を表した。ゴーグルを外し、ジャッジの目を見据えて叫んだ。「アイム、オッケー!」。同時に親指と人差し指で円を作る「OK」サイン。フリーダイビング世界選手権で日本女子チームが初優勝を決めた瞬間だ。
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photograph by Kanako Nagashima(Adventure35)