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大きな喪失感に包まれる、 王者不在のグランプリ。 ~重傷ロッシの転向はあるか?~

イタリア国内のみならず、世界中で圧倒的な人気を誇るロッシ。その不在の影響は大きい。

 6月上旬、ムジェロで開催された第4戦イタリアGPで、V・ロッシが転倒、右足脛骨と腓骨を骨折した。全治4カ月から5カ月という重傷で今季のタイトル防衛が絶望となった。ロッシは'96年に125ccクラスでデビューして15年目。これまで104勝を含む167回の表彰台、3クラスで9回のタイトルを獲得した。230戦連続出場はGP新記録で、速くて転ばないという天才ライダーの名に相応しい実績を築いてきた。

 '00年に最高峰クラスに上がり、'01年から'05年まで5年連続でチャンピオンを獲得した。その後、2シーズンはマシンの不調やタイヤパフォーマンスの差で王座から遠ざかるが、この2年は台頭する若手を相手にタイトルを奪還した。近年のライバルはC・ストーナーにチームメートのJ・ロレンソ。一発の速さだけなら、すでに彼らに負けている印象だが、レースの駆け引きなど総合力で上回った。

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photograph by Satoshi Endo

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