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「スキップしてニコッと笑って走っている」張本勲の”あっぱれ”秘話…巨人V9戦士・高田繁はポジション脅かされるも「そもそも競争相手にならないですよ」
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長谷川晶一Shoichi Hasegawa
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2026/11/06 17:07
安打製造機と呼ばれ7度の首位打者、通算3085安打を記録した張本勲。その意外だった素顔とは…
「バッティングなど、いろいろ教えてもらいたくて、むしろ楽しみだったんですよ」
打撃こそが、自分がプロで生き残るための武器である。その武器を磨くために、天才に近づいてみたい。とはいえ、張本は雲の上の人物である。聞きたいことは山ほどあっても、簡単には声をかけられなかった。
転機は打撃練習で訪れた。偶然、張本と同じ組になった。柳田は勇気を出して技術的な疑問点を投げかける。返ってきたのは、予期していた威圧的な態度ではなかった。
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「実に丁寧に、どんなことでも優しく教えてくれましたよ。それは当初の予想とはまったく違うものでした」
高田繁はレフトの座を脅かされた
一方、張本の加入を、まったく別の視点で見つめていた男がいる。高田繁である。
高田はV9を支えた名外野手だった。しかし'75年は打率.235と、不本意な成績に終わっていた。本来なら長嶋の抜けた打線を支えるべき立場にありながら、その期待に応えられなかった。張本の獲得が決まれば、慣れ親しんだレフトの座は危うくなる。本人はどう受け止めたのか。
「そもそも競争相手にならないですよ」
意外なほどあっさりした答えだった。張本が来るのなら、打てない自分は試合に出られなくなるだろう。実績も技術も違う。張本とのポジション争いなど成立しない。それが、高田の見解だった。そして長嶋監督は、高田に三塁を守らせることを決める。高校時代は投手、その後はずっと外野手で、三塁手としての経験はない。トレードで新天地を求める道は閉ざされていた。
「そもそも、球団や長嶋さんからは『お前は(他球団には)出さないよ』と言われていたからね」
高田は腹を決めた。三塁で成功しなければ、巨人に自分の居場所はない。
「サードで絶対成功しないと自分の野球人生は終わる。それぐらい死に物狂いの思いで取り組むつもりだったからね」
座して引退を待つつもりは微塵もなかった。張本の加入により、高田の野球人生は大きく動き出すことになった。
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