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腰の重かったNPBが「ピッチクロック」導入へ大急ぎ…「ケガのリスク」を訴え反対した選手会も方針転換した“本当の理由”とは
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/10/04 17:00
メジャーリーグやWBCでおなじみの「ピッチクロック」。日本球界もいよいよ導入に向けての動きが進んでいる
確かに導入する目的は「時短」ではあったが、当然、投手のインターバルが短くなる。それは投手の投球動作そのものが変わるということだ。
これまで自分のペースで投げていたものがピッチタイマーの数字を見て始動しなければならない。自らの「間」ではなく、タイマー表示に合わせて投げることは、繊細な感覚を有する投手にとっては、大きな負担となりかねない。
世界的な流れにNPBも方針転換
当初、反対の意向だった選手会も「ピッチクロック導入」へと方針転換した。そして腰の重かったNPB側も導入に前向きになったわけだ。
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MLBに続いて台湾プロ野球(CPBL)が2024年から、韓国プロ野球(KBO)も2025年からピッチクロックを正式導入した。また日本の社会人野球は2023年から日本野球連盟(JABA)主催の公式戦でピッチクロックを導入。ただ秒数はそれぞれの団体で個別に設定されている。
さらに独立リーグのBCリーグ、四国アイランドリーグPlusも2026年からピッチクロックを導入した。
来年秋に予定されている第4回「プレミア12」は、2028年のロサンゼルスオリンピック、野球競技の予選を兼ねている。出場は6カ国。すでに開催国のアメリカと、WBCで優勝したベネズエラ、準優勝のドミニカ共和国の出場が決まっている。残り「3枠」は、プレミア12のアジア、欧州・オセアニア各枠の最上位チームと、その後で行われる世界最終予選の勝者に与えられる。
プレミア12では、すでに「無走者20秒」のピッチクロックを導入することが決まっている。
日本人選手がこれに適応するためには、2027年からの「ピッチクロック導入」が必須になっているのだ。
しかしいざ導入となるといろいろな準備が必要になる。
ピッチクロックに使用するピッチタイマーは、アマゾンで販売している。価格は30万円台からとそれほど高額ではない。しかしピッチタイマーを作動するのは人間なのだ。
筆者はMLBでは「ホークアイ」と連動して自動でタイマーを動かしているのかと思っていたが、そうではなくMLBでも独自にフィールド・タイミング・コーディネーター(Field Timing Coordinator:FTC)というスタッフを雇用し、各球場に配置していた。
つまり機器の設置以外に「人件費」がかかる。またそれなりの技術、知識も必要だ。
この8月、筆者は四国アイランドリーグPlusの徳島対高知戦を観戦した。
徳島、むつみスタジアムの記者席で試合を見ていると、部屋の端の方から「カチッ、カチッ」という音が聞こえてきた。そのたびにネット裏にあるピッチタイマーの表示が動いたり、止まったりしている。ネット裏で試合を凝視しているフィールドタイマーが、プレーのたびに操作盤のスイッチを押していたのだ。

