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「やめないでくれ」西武のレジェンドが引退試合で残した“切ない打球音” 栗山巧はなぜファンに愛されるのか? 記者に差し出した”右手”意味とは…
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佐井陽介Yosuke Sai
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/09/15 11:01
8月30日に引退試合を行なった埼玉西武ライオンズのレジェンド・栗山巧
栗山はなぜファンファーストを貫けるのか?
今年3月中旬、栗山を取材する機会に恵まれた。雑誌「Number」用のインタビュー。すでに2026年限りでの現役引退を発表していた彼に対して、私は以前から抱き続けていた2つの疑問をぶつけた。
ライオンズブルーに別れを告げようと考えたことは本当に一度もなかったのか。
なぜそこまでファンファーストを貫けるのか。
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彼は1つ目の問いに「そうですね」と即答した。そして、2つ目の質問に移ると、口調は次第に熱を帯びた。
「いつの頃からか、ファンの皆さんが自分のことをよく見て、理解しようとしてくれていると感じるようになったんです。ライオンズファンの方々はすごく選手のことを理解してくれている。だから選手は『こういうプレーをしたい』と自分の思いを伝えたくなるし、勝利につながる一打を見せたくなる。そういう信頼関係が、僕とファンの方々の間にもあると感じています」
栗山はこちらの目を真っすぐ見つめたまま、思いの丈を一気に吐き出した。
私はスポーツ新聞社に在籍していた昨年まで、20年近くにわたってプロ野球選手たちの一挙手一投足を追い続けてきた。ファンを大切にして、ファンに愛され続けた選手を数えきれないほど目にしてきた。だが今、栗山を超えるフランチャイズプレーヤーを問われたら、答えに窮してしまう。
彼とライオンズファンはなぜ、これほどまでに固く揺るぎない絆を構築することができたのか。
その答えを知りたくて、2026年8月30日の正午過ぎ、西武球場前駅の改札をくぐった。
試合開始は17時。まだプレーボールの5時間前だというのに、駅と球場の間に位置する広場はすでに背番号1の集団でごった返していた。ざっと見た限り、ユニホーム姿の7、8割は「1」を背負っている。
何百人もの熱気が充満した混雑をすり抜けて、なんとか球場にたどり着く。まだ開門前の時間帯。レフト側から無人に近い通路を歩き続け、ようやくバックネット裏の階段付近に到着すると、選手たちのロッカーに続く通用口の奥からゆっくりと近づいてくるシルエットが視界に入った。
暗がりから一人で歩いてくるその男は、栗山だった。
練習に向かう流れを遮ってはいけない。とっさに道を開けようとすると、彼はそっと右手を差し出してきた。
【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」【西武】「あの切ない打球音が耳に残った」引退の日、栗山巧が記者に差し出した右手と"普通"の試合前練習「背中からは勝負師のオーラがまだ…」《8.30ドキュメント》で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。

