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甲子園の風BACK NUMBER
“甲子園優勝”智弁和歌山を「最も苦しめた男」は何者だった?「甲子園、見に行ったんですよ」まさかの「夢は美容師」だった“公立校の151キロ右腕”の軌跡
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/09/02 11:03
全国制覇を果たした智弁和歌山の売りでもある強打を抑え込んだ、和歌山の公立校の「151キロ右腕」とは何者だったのか
2年夏は智弁和歌山と準々決勝で対戦し、先発のマウンドに立った。だが初回からボール先行のピッチングが続き、5回途中8安打5失点で降板している。5四死球も失点に絡んでおり、打たれた数字以上に自滅したという表現の方が合っていたかもしれない。
試合は0-7(8回コールド)で完敗。ただ、センバツからの注目度は結果に全く関係はなかったという。
「あの頃、自分はまだ下級生でしたし、気楽に投げられていたので、センバツのことは特に気にはなりませんでした。でも秋に最上級生になって、エース番号をつけるようになったら自分がチームを勝たせられるようにならないといけない。そう思うほど、苦しんだこともありました」
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エースとして臨んだ昨秋は近畿大会まで勝ち進むも初戦で大阪桐蔭に1-7で敗れた。そこから長い冬に突入。課題は明確だった。まず、どうしてもかさんでしまう球数の多さ。2年夏に敗れた試合は5回途中で球数がすでに100球超えだった。
「フォアボールを出してしまうと、どうしてもストライクを入れないと、という気持ちが一層強くなるんです。そこから余計に慎重になって、またボールになってしまって」
満を持して迎えた春大会で…「まさかの大乱調」
制球力を磨くことに時間をかけ、迎えた今春の県大会。初戦でいきなり智弁和歌山と激突することになった。
昨夏に続く先発のマウンドに立ったが、やはり初回からボールが先行した。毎回走者を背負い、6回を投げ4安打5失点。7四死球を与えるなどスタンドに陣取ったNPBスカウトからも深い溜息が漏れるような内容だった。

