甲子園の風BACK NUMBER
涙、涙…決勝で悪夢の暴投「サインミスでした」健大高崎キャッチャーは膝から崩れ落ちたが「じつは甲子園史上初」大記録を6投手と成し遂げたワケ
text by

間淳Jun Aida
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/08/23 17:02
激闘の後、智弁和歌山ナインの校歌斉唱の横で涙する健大高崎ナイン
それぞれの特徴や性格を理解し、持ち味を引き出す。例えば、決勝でも3番手で登板した石田翔大をリードする時は、武器のスライダーを生かして組み立てる。1-0で勝利した準決勝の天理戦では、9回2死満塁から登板した右腕・石垣聡志に、こう声をかけた。
「投球練習で見た感じ、カットボールが良いから、カットボールで押していこう。四球以外なら構わないから、ストライクゾーンに投げてこい」
石垣が制球に苦しめば、捕球しながらフォームまで見る。体が開いていると察すると、左側の骨盤を中に入れるようジェスチャーで伝える。相手打者の反応と投手の状態から、カットボールとツーシームのどちらを配球の軸にするかも判断する。
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コンビを組む投手が増えれば、捕手の仕事も増える。それでも、大岩はその苦労をやりがいと捉えてきた。バッテリーミーティングだけではない。寮での何気ない会話も含め、グラウンド外でも積極的にコミュニケーションを取り、個々の投手の良さを引き出す方法を探ってきた。
「それぞれの投手の特徴が異なるので大変な部分はありますが、楽しい気持ちが勝ります。バッテリーでイメージ通りに打者を抑えたり、三者凡退で打ち取ったりできた時は、捕手をやっていてよかったと感じます」
目を配ってきたのは投手陣だけでなく
チーム内の信頼も厚い。
決勝で2番手として登板した2年生左腕・北田莉玖は「どんな配球にすれば打者を抑えられるのか、いつも考えてくれます。信頼しているので、安心して投げ込める捕手です」と話す。青柳博文監督も「リード面は基本的に大岩に任せています。昨年の秋から見違えるように成長しました」と全幅の信頼を寄せる。
そんな大岩が目を配ってきたのは、投手陣だけではなかった――。〈つづきは下の【関連記事】へ〉

