JリーグPRESSBACK NUMBER

ミスに厳しいはずの中村憲剛が…「ああ、自分は怒られるレベルにもなっていないんだ」18歳田中パウロ淳一が泣いた川崎フロンターレ屈辱のデビュー戦

posted2026/08/15 11:00

 
ミスに厳しいはずの中村憲剛が…「ああ、自分は怒られるレベルにもなっていないんだ」18歳田中パウロ淳一が泣いた川崎フロンターレ屈辱のデビュー戦<Number Web> photograph by AFLO SPORT

プロサッカー選手でありながら、SNS総フォロワー数80万人を誇る田中パウロ淳一(32歳)。明るいキャラクターで人気を博すが、若い頃は苦労も多かった

text by

田中パウロ淳一

田中パウロ淳一Paulo Junichi Tanaka

PROFILE

photograph by

AFLO SPORT

TikTokやYouTubeで精力的に活動し、SNS総フォロワー数80万人超を誇る田中パウロ淳一(32歳)。自身初の著書『選ばれなかった僕の戦い方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から、プロ入り直後、川崎フロンターレでのデビュー戦を振り返った章を抜粋してお届けします。〈全3回の1回目〉
田中パウロ淳一著『選ばれなかった僕の戦い方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)田中パウロ淳一著『選ばれなかった僕の戦い方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン) ※書影をクリックするとAmazonの購入ページにジャンプします

 川崎フロンターレでのデビュー戦のことは、今でもはっきり覚えている。

 ついこの前まで、スタンドから試合を見ていた。その景色の中に、自分が立っている――。しかも、相手はヴィッセル神戸。プロを目指すきっかけとなったチームだ。

 ただ、そんな感傷に浸る余裕はほとんどなかった。

ADVERTISEMENT

 風間八宏監督から与えられたポジションは、これまでやってきたフォワードではなく、左サイドバックだった。怪我人が重なって回ってきたチャンス。

 準備ができていたとは言えない。でも、やるしかなかった。

「パウロ、俺にパスを出せば大丈夫だから」

 試合が始まってすぐに気づいた。自分のところが狙われている。

 18歳の高卒ルーキー。しかも、本職ではない左サイドバック。相手からすれば、そこを狙いどころにするのは当然だった。背後のスペースを突かれる。ボールを持てば詰められる。簡単なパスもつなげられない。

 本来、僕の強みはゴール前でのプレーだった。

 仕掛けること、ゴールに絡むこと。左サイドバックでも、攻め上がって自分の良さを出したいと思っていた。

 でも、その場所まで行けなかった。プロの試合で現実を突きつけられた。

 そのときだった。チームの司令塔・中村憲剛さんに声をかけられた。

「パウロ、俺にパスを出せば大丈夫だから」

 それが憲剛さんの優しさだったのは、すぐにわかった。ミスが続いていた自分に、シンプルな逃げ道を作ってくれた。

【次ページ】 優しさが逆に胸に刺さった…

1 2 3 NEXT
#田中パウロ淳一
#川崎フロンターレ
#中村憲剛
#風間八宏
#小林悠
#風間宏矢
#栃木シティ

Jリーグの前後の記事

ページトップ