欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
サッカー界のケンカもゴシップも「文春砲ドイツ版」エース記者が代理人事務所に…生々しい移籍情報ウラ話「たとえば塩貝健人は」「ときに既成事実化も」
text by

龍後昌弥Masaya Ryugo
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/09/12 11:30
日本代表FW塩貝健人がドイツ移籍をした際にも、水面下での「情報合戦」が繰り広げられていた
声をかけられたのはバイエルン・ミュンヘンを担当していたカイ・プソッタ記者。記者時代にはアリエン・ロッベンに「あとはカイがいい感じに書き上げといてくれ」と言われていたそうです。エジルの自伝を書き上げてベストセラーになったり、今でもバイエルンのウリ・ヘーネス会長とスタジアムで歩いているのをスクープされたりしています。テレビ局のスカイを経て「スポーツ360」に入りました。
カイは選手や監督のメディア出演のサポートといった通常の広報業務もやっているのですが、最大の役割は移籍市場における“情報操作”です。選手の移籍交渉が有利に進むように、状況に応じてメディアにさまざまな情報を提供しています。
たとえば塩貝健人のドイツ移籍時も
たとえば、塩貝健人選手のオランダのNECナイメヘンからドイツのボルフスブルクへの移籍が最終段階に入ったとき、カイのところにドイツ中のメディアから電話がかかってきていました。
ADVERTISEMENT
「本当に移籍するのか?」「いつ決まる?」「移籍金の金額は?」
カイにとって、彼らは前職時代の仲間たちです。ギブ・アンド・テイクの関係で、突っぱねることもあれば、ヒントを与えたり、情報の一部を与えたりすることもあります。
塩貝選手のときに、最も早く移籍決定を報じたのはスカイのフロリアン・プレッテンベルク記者でした。
プレッテンベルク記者はドイツにおける移籍情報の第一人者で、「ドイツのロマーノ」と呼ばれている人物です。X(旧ツイッター)のフォロワーは実に64万人。
メディアと代理人事務所は持ちつ持たれつの関係。小さな貸しを作り、いざというときにそれを返してもらっているのでしょう。
代理人事務所もクラブもメディアを利用する
では、代理人事務所は実際にどうメディアを使うのでしょうか?
一番わかりやすいのは、選手へのオファーの諸条件を引き上げたいときです。2チーム以上が競合すれば、用意される違約金や年俸が自ずと上がります。ですから、メディアに「こういうクラブからも興味を持たれていますよ」と情報を流すことがあります。
ただ、クラブだって負けていません。彼らもメディアを利用しようとします。

