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「俺色に染めたいタイプではない」バスケットボール日本代表HC桶谷大が目指す方向性とは「トム・ホーバスとはまったく異なるアプローチで」
posted2026/08/10 17:00
text by

青木美帆Miho Awokie
photograph by
Japan Basketball Association
日本代表HCの“桶谷さん”
束の間の余暇に訪れたのは、これからだんだん特別なものになっていく美しい場所だった。
「『1日だけ遊んでいいよ』と言われてたので海に行ってきました。だから今は“赤谷さん”になってます」
ワールドカップアジア地区予選第3節の韓国戦から帰国し、新天地への引っ越し準備の合間にインタビューに応じた“桶谷さん”は、のっけから年齢相応のギャグを飛ばし、日に焼けて赤くなった顔に柔らかな皺を寄せた。
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琉球ゴールデンキングスに2つの優勝をもたらし、5季連続のファイナル進出に導いた指揮官は、その手腕を買われて今年2月に琉球ヘッドコーチとの兼務で日本代表HCに就任した。
7月3日に行われたアウェー中国戦は、これまで幾度も叩きのめされた相手に完勝。6日の韓国戦には敗れたものの、8月27日から始まる最終予選にグループ首位で進出を決めた。
「オフということもあり選手たちのコンディションがあまりよくなかったので、ゲームに慣れることと攻守のコンセプトをさらに出すことを意識して臨みました。オフェンスはボールをどんどん前に放って、トランジションの中でスコアすることがある程度できたかなと。韓国戦は要所でポゼッションゲームに負けてしまい不安定な戦いをしてしまいました」
桶谷大はこのように2試合を総括した。
「『俺色に染めたい』タイプではないんです」
代表チームにおける桶谷の立ち位置は独特だ。現在の日本代表は、強化委員会が策定したコンセプトを世代別代表からA代表まで一気通貫で踏襲するという方式を採用しており、A代表ではライアン・リッチマンと吉本泰輔が立てる戦術を桶谷が取捨選択するというシステム。「日本人コーチで代表を強くしたい」という伊藤拓摩強化委員長の思いのもと、強烈なカリスマ性でチームを率いたトム・ホーバス前HCとはまったく異なるアプローチで高みを目指そうとしている。
「もともと『俺色に染めたい』みたいなタイプではないんです」と桶谷は言う。
「選手とスタッフのそれぞれの個性をどうやって生かしていくかを考える裏方タイプ。(第1節までHCを務めた)トムさんが与えていた選手の役割に、ライアンとダイス(吉本)がコンセプトを加えて、僕はそれをコーディネートしたりマネジメントする人という感じです」
チームを構成する人々のポテンシャルを見抜き、信じ、責任を託す“オケ流”は、もちろん琉球でも大きな力を発揮し、松脇圭志や脇真大など加入時から目を見張るような成長を遂げた選手も少なくない。桶谷は3年前の取材で「人を成長させるのは経験や環境だから、チャンスはできるだけ与えたい」と言っていたが、今回は少し踏み込んだ話をしてくれた。
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