JリーグPRESSBACK NUMBER
Jリーグは3ページ、プレミアは…契約書から大違い「ビールの祭典参加がマスト」「移籍最終日23時59分に加入」“最強の代理人”が明かす交渉の内幕
text by

龍後昌弥Masaya Ryugo
photograph byKenzaburo Matsuoka/AFLO
posted2026/08/08 17:01
秋春制となったJリーグ。シーズンを欧州各国に合わせた一方で、移籍交渉の文化の違いとは
たとえばバイエルン・ミュンヘンの選手は、毎年9月か10月にビールの祭典「オクトーバーフェスト」に参加してビール会社のブースを訪れます。これは、スポンサー活動として契約書に盛り込まれているからこそ強制力があるわけです。
専門弁護士が支える、移籍最終日「6時間」のドラマ
それにしても100ページはすごい量ですよね。慣れていない人では、とてもさばけません。そこで移籍に強い弁護士の出番です。
「スポーツ360」ではヨーロッパの主要国それぞれに顧問弁護士がいて、契約書の作成とチェックを任せています。
ADVERTISEMENT
僕らがクラブと交渉し、合意した内容を彼らに共有することで、法務的な視点を踏まえた契約書を完成させてクラブに投げます。
彼らは自分が担当するリーグの法令を完璧に把握しており、「覚書」の部分を集中して確認できるので、チェックスピードがものすごく速いんです。1時間もあれば十分。緊急時はメールを送ってから8分で戻ってきたこともありました(笑)。
そして、移籍期間であれば深夜だろうと関係なし。23時30分に送ってもすぐに電話をかけてきて、内容の詳細と見解に相違がないか即座に確認してくれます。
こうしたリーガルチェックの圧倒的なスピード感こそ、大手代理人事務所のメリットの一つでしょう。
小さな事務所だと顧問弁護士は1人で、その人がすべてのリーグを担当するのが一般的。各リーグ専任の顧問弁護士と比べると、どうしても契約書チェックのスピードは落ちてしまいます。
移籍市場は時々刻々と状況が変化するので、契約書のチェックにもたついている間に話がなくなってしまう可能性もあります。
いくら契約書が長くても、それを言い訳にはできません。移籍市場のラスト1週間はまさしく時間との戦いです。
ある選手が“移籍最終日23時59分”に
そして、一番慌ただしいのが移籍最終日。

