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甲子園の風BACK NUMBER
センバツ王者・大阪桐蔭はなぜ敗れたのか?「高校生は打てない」「大阪桐蔭史上最高のピッチャー」を擁したが…ベテラン記者が感じていた“ある不安”
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph byAsahi Shimbun
posted2026/07/21 11:03
大阪府大会の4回戦で大阪立命館に敗れた大阪桐蔭ナインと西谷浩一監督。センバツ王者にまさかの波乱が待ち受けていた
下級生の頃から評判だった“超高校級”エース
昨秋の府大会制覇の原動力は吉岡の快投があったと言っても過言ではない。吉岡はちょうど去年春頃から近畿圏の高校野球指導者の間で評判を呼んだ怪腕だった。
昨春の県大会取材中に、他県のある強豪校の監督からこんな話を耳にした。
「大阪桐蔭の2年生ですごい投手がおるんよ。スピードも速いけど、とにかく球のキレがすごい。あのレベルはおそらく高校生は打てない。おそらく大阪桐蔭史上最高のピッチャーかも知れんよ」
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その指導者は春先に大阪桐蔭と練習試合をした際に吉岡の快投を見せつけられ、衝撃を受けたことをやや興奮気味に教えてくれた。
大阪桐蔭の前チームと言えば森陽樹(オリックス)、中野大虎(ENEOS)の剛腕の2本柱がいたが、回転数が2600を記録するほどの高い球質で勝負でき、140キロ台後半の速球を低めにコントロールする吉岡の技術は、すでに近畿圏では今世代屈指とされていた。
吉岡がエースとなった昨秋は、府大会準々決勝の関西創価戦で7回を投げ1安打12奪三振(与四球1個)無失点、準決勝の金光大阪戦では2安打15奪三振(無四球)で完封勝利を挙げている。
完璧なピッチングに封じられた金光大阪の横井一裕監督は「吉岡君はコントロールが良くて球のキレが高校生レベルじゃない。あんな球は打てませんよ」と府内屈指のライバルの指揮官もお手上げ状態だったと苦笑いしながら振り返っていた。
昨秋の公式戦での奪三振率は驚異の12.97。だからこそ、センバツでの投球が楽しみでしかなかった。

