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「自分は日本人でも韓国人でもない」在日コリアン4世・金勇輝が“韓国代表”を選んだ日「虫垂破裂…即手術です」ラグビーW杯の夢を遠ざけた“痛みへの耐性”
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山川徹Toru Yamakawa
photograph byYonhi Kim
posted2026/07/17 11:03
2022年7月、韓国代表としてラグビーW杯予選のピッチに立った金勇輝
韓国代表として、金が印象に残るゲームに挙げるのが、ファーストキャップとなった2022年7月9日の香港代表戦だ。このゲームに勝利し、プレーオフでトンガ代表を破れば、韓国のW杯初出場が決まる大一番だった。
会場は仁川南洞アジアードラグビー競技場。
香港戦前、韓国代表のチームメイトと整列し、スタジアムに韓国国歌が流れた。
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自分たちは誰を代表しているのか。
金の脳裏に浮かんだのが、30年のラグビー人生で出会った人たちや、出張として韓国代表への挑戦を応援してくれた職場の同僚、そして家族の顔だ。
局面を打開する金勇輝のタックル
キックオフからわずか1分で、香港選手が反則を犯して退場する。しかし韓国のミスに乗じて、主導権を握ったのは一人少ない香港だった。
0対15で折り返した後半、韓国が反撃に転じる。
呉が「地味だけど堅実で仲間を活かすチームファーストのプレーヤー」と評した金の持ち味が発揮されたのが、18対20の香港リードで迎えた後半33分。
ハーフライン付近で韓国のスタンドオフがハイパントを蹴り上げる。キャッチした香港のフルバックに対し、真っ先にタックルを見舞ったのが金だった。相手はボールを放せずに、ペナルティとなる。最終盤の苦しい局面でも愚直にキックを追い続ける。基本に忠実で、堅実な金らしいタックルだった。
韓国のペナルティゴールが決まり、21対20。韓国がはじめてリードを奪って、ロスタイムに入る。
韓国にとっても、金にとっても、もっともW杯が近づいた7分間だった。
しかし――。
密集で反則を犯した韓国に対し、香港は22メートルライン付近からペナルティゴールを選択する。キックがHポールのまん中を射貫いた瞬間、勝利を願う観客や控え選手の声援が悲鳴に変わった。
21対23。
W杯の道が断たれたシーンは、一葉の写真のように金の記憶に焼き付いた。


