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名将アンチェロッティの“不気味な静けさ”「まったく動じていない…」カメラマンが撮った勝者ブラジルの本気度「観客を煽り…結束など“当たり前”」
posted2026/07/03 17:24
後半、ビニシウスが迎えた決定機。テクニカルなシュートは鈴木彩艶の好セーブによって防がれたが、ブラジルの猛攻は続いた
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原壮史Masashi Hara
photograph by
Masashi Hara
特別なことでありながら、当然のことでもあった。それが格の違いを感じさせた。
試合前、ブラジルの選手たちは先発11人ではなく、ベンチメンバーも含めた全員で集合写真に収まった。当然、これはワンチームを強調するものだ。開催国のひとつであるメキシコが開幕戦で同様の集合写真を撮影していたが、ブラジルはそれをグループリーグ3試合に引き続き、この決勝トーナメント初戦でも行った。
それは、結束力を強みに歴史を塗り替えようとしている日本に対して、「このステージまで来るチームであれば結束など当たり前のことだ」と強国の矜持を誇示するようでもあった。
名将アンチェロッティの“不気味な静けさ”
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それでも、“本気のブラジル”を初めて体感する決勝トーナメントで、前半、日本代表は黄色く染まったスタジアムを戸惑わせた。
意識が共有された組織としての堅実さだけではなかった。佐野海舟が自身で持ち上がることを即決して見事に完結させたゴールシーンを筆頭に、冨安健洋がライン間を漂うビニシウス・ジュニオールへのボール供給を消していたことや、前田大然の猛チェイス、中村敬斗の仕掛けなど、個の能力と判断に委ねられる部分でも堂々と渡り合った。
しかし、ボールを出してもらえないビニシウスが苛立ちを見せる場面こそあったものの、ブラジルに焦りはなかった。
ハイドレーションブレイクの際には監督のカルロ・アンチェロッティを中心に輪を作り、ネイマールもカゼミーロに真剣な顔で何やら耳打ち。その光景は、日本がこれまで見せてきたチーム一丸の姿勢と何ら変わらないものだ。撮影しながら、またしても「強烈な個を擁するブラジルでも結束力は当たり前に備えているもの」という印象を強く受けることになった。
また、指揮官の振る舞いからも、このチームに揺るがぬ信頼を置いていることが伝わってきた。
アンチェロッティはベンチ前に長く立っていたものの、アクションそのものは極めて少なかった。昨年10月に日本で対戦したときは、不甲斐ないチームに身振り手振りで指示を出し、途中からは匙を投げたようにベンチに座って出てこなくなってしまったが、この試合ではビハインドを背負っても何事もないような表情で立っているだけ。日本の攻撃を受ける守備陣のことをただ見守り、たまに攻撃陣に立ち位置を小さく指し示すのみだった。
欧州チャンピオンズリーグを5度制した名将の静けさは、このうえなく不気味なものだった。



