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日本には小椋藍がいる! 遂にMotoGP初優勝を果たした25歳の進化のポイントと、ライバルに脅威を与えるレース終盤の「特別な才能」とは? 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph byMotoGP.com

posted2026/06/29 17:45

日本には小椋藍がいる! 遂にMotoGP初優勝を果たした25歳の進化のポイントと、ライバルに脅威を与えるレース終盤の「特別な才能」とは?<Number Web> photograph by MotoGP.com

いつもはクールな小椋が表彰台ではさすがに歓喜の表情を見せた

 チェコGPとオランダGPは30℃前後の猛暑が続いた。特にオランダGPの金曜日は36℃の最高気温を記録する熱波。選手たちにはコース上のバトルだけでなく、暑さで消耗する体力とタイヤとの闘いが待ち受けていた。猛暑の中でも疲れ知らずで、タイヤを消耗させないスムーズな走りでペースをキープする藍は、MotoGPライダーの中でも華奢な体つきである。裸になれば鍛えられた筋肉に包まれているが、それはトップアスリートとして特別凄いわけではない。

 この身体で最高速度が360km/hに到達するモンスターマシンを操り、約120kmのレース距離を40~45分前後で走る。さらに過酷なブレーキングやマシンの切り返しなどで体力を消耗する。それにより、ほとんどのライダーは腕上がりを発症して手術を行う。

 だが藍は腕上がりの手術を受けたことはなく、フィジカルトレーニングもほとんど行わない。代わりに、とにかくバイクに乗る。レースウイークで(勝つために)足りないと感じた走りをバイクに乗るトレーニングで克服していく。ロードバイクにモトクロス、ダートトラックなど、十数台持っている練習用のバイクで徹底的に走り込む。それがMoto2クラスのチャンピオン獲得につながり、MotoGPクラスの優勝につながった。

ライダーに必要な筋力

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 そんな藍に「なぜ腕上がりにならず、疲れないのか?」という質問をした。

「レースは20周から30周の戦いで、1周あたり15くらいのコーナーがある。それを全部凌ぎきる筋肉なんて無理なんです。だから大事なのは、バイクに乗ったときに、ポイントポイントで筋肉を使わなくていいコツ。瞬間的に必要なだけ出力できる筋肉量があればいい。もちろん、多少なりとも筋肉は必要です。でも、瞬間的に使う筋肉が大きくなればなるほど、酸素を使うので(筋肉が)疲れる。一番ダメなパターンは、筋肉があってライディングのコツを知らないこと。これが最悪ですね」

 必要以上の筋肉は要らない。必要な筋肉はバイクに乗ることで十分に鍛えられていくものだと藍は説明してくれた。それを理解したのは、Moto3に乗り始めたころだという。以来、必要なトレーニングを必要なだけ行ってきた藍は、「レースが終わって、あと10周、20周って言われても、オレは同じように走れますよ」と答えてくれた。

【次ページ】 高まる日本人王者誕生への期待感

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