獅子の遺伝子BACK NUMBER
「きっかけは栗山巧の…」首位・西武が取り組む“言語化能力”向上トレーニングとは?「最初は正直、何に役立つんだろうって…」若手選手の変化と成長
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2026/06/29 06:00
選手たちの“言語化能力”向上に貢献しているという取り組みとは?
坂田氏は続ける。
「獅考トレーニングは例えると、魚を提供するのではなくて、魚の釣り方を教えるみたいなイメージですね。目標設定の効果的な方法やコツみたいなものを伝えます。こちらで用意したフレームに、選手自ら目標を書いてもらっています。認知バイアスは世の中に200種類以上あると言われていますが、その“思考の癖”の中でも特にアスリートが陥りやすい認知バイアスを取り上げて、みんなが真剣に頑張って考えていることのなかには、認知バイアスによってゆがんでいる部分もあるんだよということを伝えています」
選手の本音「最初は正直…」
普段の生活において、自分の中では「これはよいことだ」と思って実行しているものでも、実際は目的が明確ではなかったり、なぜそれを行っているのか理由が不明確なことがあるという。その“ゆがみ”を取り除く作業によって、選手が自身の成長や課題を自分で分析し、次なる目標を明確にする。そして、その明確になった目標を面談やリフレクションの機会に、自分の言葉にして話すことで、自分の思考を相手に伝える手段に慣れていくのだ。
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プロ入り2年目、昨シーズンは一軍デビューも飾った斎藤大翔は人財開発トレーニングについて語る。
「最初は正直、なんだか難しい言葉が出てきて、これが一体何に役立つんだろうって思いながらやっていました。でも回を追うごとに気持ちの持ち方の部分で『そうか、こういう考え方もできるし、こちらの考え方もできる』と幅が広がったように思います。なるほどなって納得できました」
金沢高校時代も練習日誌を書き、自分の考えを言葉にすることには慣れていたと語る斎藤だが、人財開発トレーニングを実施してからは良かったこと、悪かったことをより詳細に振り返る癖がついたという。
球速10km近くアップの陰に…
「今は球団で行っているものとは別に、自分でノートを作って毎試合の振り返りをメモしています。そのノートの方は正直、自分だけがわかればいいので、とにかく思いついたことを何でも書くイメージですね。一度、調子が悪くなったときに、調子がよかったときのフォームに戻そうとしても、それを忘れてしまっていたことがあって……。今は、良いときに、その感覚的なことや技術的なことをメモする感じで続けています」

