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八村塁レイカーズ残留か?「彼は本物のレーザーだ」“好きじゃない3ポイント”を磨いた3年半、プレーオフ敗退も“進化”を証明するNBA歴代1位の数字
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宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byLuke Hales/Getty Images
posted2026/05/18 11:06
プレイオフでも存在感を発揮したレイカーズ八村塁(28歳)
プレイオフに入って毎試合高確率で決める3Pに注目が集まり、そのことについて聞かれるたびに、八村はチームメイトがディフェンスを引き付けてくれるおかげだと語っていた。
「みんながディフェンスを引き付けてくれるから、僕はノーマークで、まるで練習のような簡単なシュートを打っているだけ」
確かに、それは真実だ。八村が3Pを打つ機会の多くは、味方がディフェンスを引き付けることによって作られていた。プレイオフ、特にサンダーとのシリーズで確率が上がった理由のひとつには、サンダーのディフェンスがインサイドを固め、3Pに対するディフェンスの優先順位が低いからでもあった。八村自身も、サンダーとのシリーズ中にこう語っていた。
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「フィルムとか見ても、(サンダーのディフェンスによって)ペイントにすごく圧がかかっている。レブロン(・ジェームズ)やオースティン(・リーブス)が苦労しているというのはそれがあると思うんですけれど、その中で僕が3ポイントを決めることによってディフェンスも広がっていくと思う。チームメイトのためにも、もっと(打って決め)続けなきゃいけないなと思います」
身長を考えるとリバウンドは少ないが…
チームが勝つために自分がどんなプレーをすればいいのか。今の八村にとっては、それが最も大事な価値だ。
シューティングだけでない。試合全体で同じような考えを持ってプレーしている。たとえばリバウンド。八村の平均リバウンド(レギュラーシーズンで3.3本、プレイオフで4.0本)は、203cmというサイズを考えると少ないのだが、ディフェンス時のボックスアウトという形での貢献を心がけている。実際に、NBA公式サイトのトラッキングデータを確認すると、八村のボックスアウト後にチームがリバウンドを獲得する貢献という点では、レギュラーシーズンでもプレイオフでも中央値以上の数字を残しているのだ。
プレイオフ前に、八村にリバウンドやボックスアウトに対するアプローチについて聞いたところ、こんな説明が返ってきた。
「ボックスアウトとかリバウンドっていうのはチームのスタッツだと思っている。1人がボックスアウトしてないとチームでリバウンドが取れないので、(大事なのは)チームとして裏切らないってことですね。しっかりとボックスアウトすることによって、誰かがリバウンドを取れたりとか、僕に落ちてくる時もあると思うんですけど、その自分の仕事をしっかりするということ。中学や高校、大学のときもボックスアウトの練習はすごくしてたので、そこは意識してやってます」
自分の役割を受け入れ、チームから必要とされている仕事をする。それを徹底して過ごしたシーズンだった。主力に故障が続いたときはスターターとして、全員が揃ったときには控えにまわり、時にはパスが回ってこなくてもディフェンスを引き付けるために外で待機し、プレイオフの時のようにディフェンスが収縮したら外から3Pを射抜く。
シーズン最終戦後に、八村は終わったばかりのシーズンをこう振り返った。
「今シーズンは、どれだけチームにインパクトを与えられるか、エフィシェンシー(効率)や、そのためにいろんなプレーを決めることを意識してやってきたので、それが今回のプレイオフに全部出たんじゃないかなと思います。やりがいがありました。自分のこれからのNBAのキャリアがどうなるかは、僕も楽しみです」
後編では、今年7月にフリーエージェントとなる八村の未来をプレビューする。焦点になるのは、決して安くはない給料とスター選手であるレブロンの去就か…〈つづき→後編を読む〉


