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吉田知那美34歳が断言「引退は遠い話ではない」その後に続いた“ある言葉”「幸せは、五輪だけではない」ロコ・ソラーレ退団、新リーグ参戦で描く未来
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byShiro Miyake
posted2026/05/22 11:04
ロコ・ソラーレ退団、新リーグ参戦、カーリング以外の未来――。吉田知那美34歳が明かした【インタビュー最終回】
ロコ・ソラーレでは1年の大半、およそ7カ月ほどをカナダで過ごし、残りの期間を吉田の郷里である北見市、あるいは河野恭介氏の郷里である野沢温泉村、というのが生活拠点のベースとなっていた。
「(生活は)今までとは大幅に変わると思います。次の私のピーキングが来年の1月でいいので、まず準備に使える時間がものすごく長くなる。正直、今まで休む時間がなかったので、しっかり心身ともに休ませられます。なおかつトレーニングも、不調を抱えながらしていることもあったんですけど、体を作り直す時間も日本で作れる。練習の拠点も、日本にいるときは今まで北見市だったんですけれども、今回の退団を機に変わってきます。東京か野沢温泉村か、夫がいるオーストリアにちょっと行くとか、軽井沢とか。世界中のどこを練習拠点としてもいいので、スケジュールも練り直して、試行錯誤になると思います」
さまざまな国に暮らすチームメイトの街で練習する機会もあるかもしれない。すると笑って続けた。
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「私は『旅するようにカーリングをしたい』というのをずっと言っていたので、少しずつ夢を実現していければなと思います」
「引退は遠い話ではない」その後に続いた言葉
そしてここからのカーリングと人生の青写真を語る。
「ロック・リーグのおかげで私はカーリング選手をあきらめなくて済みました。ただ、そうだったとしても、トップカーラーとしての引退は遠い話ではないとは思っています。『何歳』というのは明確にはないんですけれども、選手としてのキャリアと、一人の女性としての新しい人生と、これから少しずつ比重にグラデーションをつけていければなと思います」
これまでも意識し、実践もしてきたカーリングの普及への思いに変わりはない。
「私にとってカーリングは人生を豊かにしてくれたものでもありますし、私たちを見てカーリングを始めてくれた世代の子たちが、オリンピックに行くんじゃないか、ぐらいのレベルに来るのも近い将来にあると思います。カーリング楽しいよ、カーリング選手っていいよと発信し続けてきた責任もあると感じているので、せっかく時間ができたんだからこそ、他の競技だったり、他の国の強化であったり普及であったりを勉強できると思います。いろいろな人に会いに行って、いろいろな話を聞いて、私にできることは何なのか整理していけたらな、と思っています」

