プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「もうやめよう」一度はプロレスラーをあきらめて…南小桃23歳がマリーゴールドで輝くまで「高く飛びたくなっちゃいました」奉納プロレスで驚異のダイブ
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2026/05/13 17:01
「岩谷麻優さんからベルトを取りたい」マリーゴールドで急成長中の南小桃。“泣き虫”な23歳が高く飛べる理由とは
「もういいや」一度はあきらめたプロレスラーの道
若さを持て余していた小桃は、「私、プロレスラーかも」とプロレスの世界に誘われていた。
「プロレスは昔から見ていたし、自分がプロレスをしている姿を思い浮かべたこともあった。ハイスピード的な、飛び回る、AZMさん、葉月さん、(渡辺)桃さんみたいな。スターダムに履歴書を送って、1カ月後に福岡でオーディションを受けました。筋トレやマット運動やって合格! 大阪に仕事で行っていた父にはLINEで『オーディション行ってくる』って伝えたんですが、母には言えなくて事後報告。『ダメでしょう』みたいに言われました。上京するために4カ月間、アルバイトでお金を貯めました。知り合いの所で、魚を真空パックする会社。スシローとかに送るんです。朝6時半から、職場は寒くて大変でしたけど」
上京した小桃はスターダムの練習生になる。
ADVERTISEMENT
「私が入門して1カ月後にHANAKOとさくら(あや)が入ってきた。デビュー戦が(2023年)3月25日の横浜武道館に決まって、2月の後楽園でファンに3人で紹介されました。でも、練習で腰を怪我してしまって。1、2カ月後に『もうやめよう』と、福岡に帰ってしまいました」
最初のうちはリハビリをしていたが、「もういいや」とプロレスをあきらめた。小桃は「暇なので」働き始めてお金を貯めた。
「今度は違うバイトを週7で。9時から23時までフルで働いていたんですが、そのうち、ふと思い立った。あ、やっぱりプロレスだ、って。(ロッシー)小川さんに連絡したら『わかった』って言ってくださって」
小桃は2024年4月にふたたび練習生として上京した。小川が代表を務めるマリーゴールドは4月15日に設立会見を行い、5月20日に旗揚げした。小桃は6月11日、後楽園ホールでのMIRAI戦でデビューした。
「実感はなかったです。あ、終わった、みたいな。なんかわからない。試合中、自分がリングに立っている。周りにお客さんがいて、プロレスラーになっている」
スターダムでの挫折から約1年後。こうして小桃はプロレスラーになった。


