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木原龍一26歳「璃来ちゃんから声を。もし掛からなければ」りくりゅうは誕生しなかった…“三浦璃来12歳”を知る恩師の記憶「幸運でも奇跡でもなく」
posted2026/05/06 06:01
引退会見で涙する木原龍一と笑顔の三浦璃来の「りくりゅうペア」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Asami Enomoto
2019年、声が掛からなければ木原は引退していた
「2019年に本当に璃来ちゃんの方からお話をいただいて、正直、たぶん、声を掛けていただけなかったら僕は引退してたと思うんです」
4月28日に行われた「りくりゅう」ペアの引退会見、木原龍一は――冒頭から涙したことが話題になったが――三浦璃来に対して、このように感謝の言葉を口にした。
当時、木原は2015年から続いていた須崎海羽とのペアを解消し、地元・愛知県のリンクでアルバイトをしていた。2019年初夏に行われた「ペア教室」に男子選手の“人数合わせ”で足を運んだところ、三浦と運命的な出会いを果たしたのは広く知られる話となった。
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そんな木原との出会いから、さらにさかのぼること2014年。小学6年生で当時12歳だった三浦は――。
「まだ、できます!」
夜10時を回ったペア教室。金土日の集中開催で行われたセッションが終わり、疲れ果てた選手たちに、指導者の若松詩子さんが「お風呂に入って、ゆっくり休んでね。また明日ね」と声をかけた。すると、一人の少女がニコッと笑ってそう答えたという。
《すごく元気な子がいるな。スタミナがすごくあるな》
ペア教室で指導し、ミラノ・コルティナ五輪ではNHKラジオ解説も務めた若松さんは、三浦を初めて指導した時のことを今でもよく覚えているという。
「ラッキーでも奇跡でもない」
小学生だった三浦との出会いから時が経ち、迎えたミラノ・コルティナ五輪。若松さんはラジオ局のスタジオで、「たかぶる感情を押し殺しながら」歴史的瞬間を見つめていた。フリーの世界歴代最高得点を塗り替えての逆転優勝。若松さんは「喜びももちろんありましたが、それよりも本当にびっくりでしたね」と振り返る。

