ボクシングPRESSBACK NUMBER

中谷潤人は惜敗も「再戦の余地が残った」敏腕イギリス人記者が見た“The Day”リアル評…井上尚弥には「ナカタニの負傷によって『もしも…』を残した」 

text by

一野洋

一野洋Hiroshi Ichino

PROFILE

photograph byHiroaki Finito Yamaguchi

posted2026/05/05 17:02

中谷潤人は惜敗も「再戦の余地が残った」敏腕イギリス人記者が見た“The Day”リアル評…井上尚弥には「ナカタニの負傷によって『もしも…』を残した」<Number Web> photograph by Hiroaki Finito Yamaguchi

井上尚弥戦の終盤でバッティングによる負傷を負った中谷潤人。結果的に英国人記者は「“もしも…”が残った」と評した

「4階級制覇を狙った試合ではありましたが、ナカタニはこれほどのエリートと拳を交えるのは初めてだったとも言えます。その意味で、この内容に恥じるものは何もない。しかも左目の負傷によって『もしも……』を残したことで、再戦への興味も十分に生まれました。

 8ラウンドから10ラウンドに限れば、ナカタニはイノウエと互角以上に渡り合っていました。序盤、ワイドスタンスで下がりながら戦う守備的な入りは理解できますが、結果的に重要なラウンドを落とす要因になりました。再戦が実現するなら、前半のアプローチをそのまま繰り返すとは考えにくいです」

 実際に中谷自身も、あの序盤の戦い方が意図的だったことをこう明かしている。

ADVERTISEMENT

「井上選手は学ぶ力が強いので、学ばせないようにしていたのでああいう戦いになった。駆け引きを楽しみながらやっていた」

 この“もしも”は偶然ではない。序盤の入り方、距離設定、仕掛けのタイミング。そのどれか一つで結果が揺らぐ――その現実を、この試合は示した。

 だからこそ、ファレル氏はこう結論を示す。

「再戦は間違いなくビッグビジネスになりますし、十分な余白が残っています。ナカタニは2019年のノニト・ドネア以来、イノウエを最も苦しめた存在であり、ドネアが再戦を与えられた前例を踏まえれば――その価値は明白です」

井上と中谷には「再戦の余地が残る」

 さらにファレル氏は、今後の展望としてもう一つの選択肢を挙げる。

「もう一つのビッグマッチとして名前が挙がるのはジェシー“バム”ロドリゲスですが、現時点で3団体統一スーパーフライ級王者の彼は、来月バンタム級に上げるところです。スーパーバンタム級まで一気に引き上げる必要はなく、その分、イノウエとナカタニの再戦に余地が残ります。

 懸念があるとすれば、イノウエがどこまで楽に122ポンド(スーパーバンタム級)の身体を作れているかという点です。 “モンスター”自身が、フェザー級へのステップアップを選び、5階級制覇という限られた領域に踏み込むタイミングと判断する可能性もあります」

【次ページ】 「世紀の一戦」が世界に残したものは?

BACK 1 2 3 NEXT
#井上尚弥
#中谷潤人
#ルディ・エルナンデス

ボクシングの前後の記事

ページトップ