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「序盤の出遅れが命取りに」中谷潤人の“井上尚弥攻略プラン”は正しかったのか?「もっと早く攻めていれば…」試合直後、英記者が策士ルディにぶつけた疑問

posted2026/05/04 11:52

 
「序盤の出遅れが命取りに」中谷潤人の“井上尚弥攻略プラン”は正しかったのか?「もっと早く攻めていれば…」試合直後、英記者が策士ルディにぶつけた疑問<Number Web> photograph by Hiroaki Finito Yamaguchi

井上尚弥に判定負けを喫した中谷潤人(28歳)

text by

杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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Hiroaki Finito Yamaguchi

 5月2日に東京ドームで行われた井上尚弥と中谷潤人の世界スーパーバンタム級4冠タイトル戦は緊迫の大熱戦となった。中谷も中盤ラウンドに見せ場を作ったものの、序盤と終盤を抑えた井上が3-0判定勝ち。“モンスター”はデビュー以来の連勝を33(全勝27KO)に伸ばすとともに、先輩王者の貫禄を示した。
「The Day」と銘打たれた一戦に注目したのは日本のファン、関係者だけではない。長きにわたって日本のトップボクサーたちを追いかけてきたリングマガジンの編集人を務める英国人ライター、トム・グレイ氏も今戦を取材するために来日を果たした。東京ドームのリングサイドで試合を観た気鋭のライターに、勝負を分けたポイントを分析してもらった〈全2回の前編/以下、グレイ氏の一人語り〉

命取りになった“序盤の出遅れ”

 イノウエとナカタニの戦いは、最終的には素晴らしいボクシングマッチになった。

 前半は両者ともに慎重で、特にナカタニはかなり様子を見ていた。いくつかのラウンドはほぼポイントを譲ってしまっていたと思う。イノウエがラウンドを取るには、1発か2発当てるだけで十分だった。

 この試合はどこかで“火をつける”必要があったが、それは後半ラウンドでもたらされた。試合が動き出した6回、7回、そしてナカタニが前に出てプレッシャーをかけ始めた8回、9回、10回、さらに11回にナカタニがダメージを受けた場面まで、それらの時間帯は非常に質が高かった。極めてハイレベルの戦いだったことは間違いない。

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 結局、ナカタニは現役最高級の王者と渡り合ったが、勝利を掴むには至らなかった。やはり序盤の出遅れが命取りになったと思う。試合がフルラウンドに及ぶなら、序盤のラウンドも終盤と同じくらい重要で、その小さな積み重ねが勝敗を分けるのだ。

 イノウエはリングIQが高く、状況判断にも優れているから、自分がラウンドを取っていると分かっていたはず。実際、会見でも自分がリードしていると分かっていたと言っていたし、それは序盤の戦術によるものだ。

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