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「1人の人間として」17歳の三浦璃来を成長させた“木原龍一との出会い”…りくりゅう引退会見で「泣かないで」9歳年上の木原が、三浦に支えられるまで
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byJIJI PRESS
posted2026/05/04 11:00
ペア結成1年目、全日本フィギュアフリーの演技を行う三浦璃来と木原龍一
「ペアが強くならないと永久に団体のメダルのチャンスはない」
平昌五輪で味わった苦い思いを受けて覚悟を持ち、木原は三浦とともに北京に臨んだ。団体戦は予選で4位につけると、決勝2位、日本の銀メダルに大きく寄与し涙した。
個人戦ではショートプログラム8位で初めてフリーに進んだ。そのフリーでは5位となり、総合7位で日本ペア史上初の入賞を果たしたのである。
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演技を終えた直後、涙を流した木原は、当時このように語っている。
「やっと世界と戦える自信がついて、出場することができたオリンピックでした」
「僕たちが頑張れば、必ず…」
成果をあげたから、すぐさま「次」を見据えた。
「もっともっと上に行きたいなと思うオリンピックだったなと思います」
「もし今回テレビを観てくださって、少しでもペアに興味を持ってくれた子たちがペアに挑戦してくれたら、僕たちが今頑張っていることが報われるのかな、と思います。ただ、ここで終わってしまったら、また今までの日本のペアと一緒です。僕たちはまだまだ走り続ける予定なので、僕たちが頑張れば必ずいろんな方が見てくださって挑戦してみようという子が出てくると思うので、僕たちは変わらず走り続けます」
日本のペアの未来のために、という使命感とともに走り続けて、たどり着いたのが、ミラノ・コルティナ五輪の歓喜の涙であった。そして意味合いが変化していった涙は、木原が戦い続けた時間を示してもいたし、「涙」をキーワードにあげたところに、木原の感慨もあった。

