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玖麗さやか25歳が叶えた夢「私は上谷沙弥にはなれない。だけど…」なぜ2年4カ月でスターダムの頂点に立てたのか? 敗れた上谷は号泣「私の赤いベルト…」 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2026/04/30 17:46

玖麗さやか25歳が叶えた夢「私は上谷沙弥にはなれない。だけど…」なぜ2年4カ月でスターダムの頂点に立てたのか? 敗れた上谷は号泣「私の赤いベルト…」<Number Web> photograph by Essei Hara

上谷沙弥を倒し、赤いベルトを巻いてスターダムの頂点に立った玖麗さやか。4月26日、横浜アリーナ

「コズエンを守る。明るさをスターダムに取り戻す」

「やってやるよ」「お前は何を懸ける?」と問われて、コズエン(COSMIC ANGELS)を懸けた玖麗。コズエンの解散がかかった試合に安納サオリ、なつぽい、水森由菜、さくらあやがセコンドについていた。終盤に渡辺桃らH.A.T.E.の乱入があったが、玖麗は仲間たちの援護で危機を回避することができた。

「絶対に大丈夫」念を押すように、自分に言い聞かせるように玖麗はリングに立った。

「私の気持ちを、本気を伝えよう。まっすぐ前を見て、コズエンを守る。そして、明るさをスターダムに取り戻す」

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 青コーナーに立った玖麗は対角の上谷を見つめていた。赤コーナーの上谷のリングコスチュームには黒に赤があしらわれていた。

 越えることができない壁なのか? 広がるのは闇の世界か? それとも青空か?

濃密だった27分5秒の攻防

 試合はオーソドックスなスタイルから始まったが、場外で上谷がチェーンを取り出したところから荒れ模様になった。上谷に大きなブーイングが浴びせられた。やはりここは判官贔屓か。ファンは技術の勝負を見たいのか。上谷がチェーンで玖麗を絞める。

 花道での攻防もあった。それは過去に横浜アリーナで行われたスターダムの戦いの歴史を振り返るようなシーンにも見えた。玖麗がヒザ(中野のバイオレットシューティング)を見舞えば、上谷が抱えて投げた。

 上谷はリング上でイスに座り、余裕で玖麗を待っていた。

 フェイスロックで絞め上げられた玖麗はスリーパーホールドに出る。格闘技経験のなかった玖麗が最初に覚えた技だ。玖麗はエプロンでヒザから場外にプランチャを放ち、コーナーからミサイルキックとたたみかけた。

 上谷の背後から浴びせた玖麗のスピアータックルは効果的だった。さらにスピアーから上谷のお株を奪うようなスタークラッシャーで上谷を追い込んでいく。

 もう15分が過ぎていた。

 ヒザから飛びついてのスリーパーホールド。グラウンドに移行して絞め続ける。

 上谷がコーナーポスト上で頭突き。鈍い音が聞こえてきた。

【次ページ】 涙の上谷沙弥「私は絶対にここでは終わらない」

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