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中田久美から「あなたはどうなりたいの?」北窓絢音21歳に芽生えた“エース”の自覚…SVリーグ制覇も「まだまだ」理想のエース像は木村沙織
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byYohei Osada/AFLO SPORT
posted2026/05/01 06:02
バレーボール女子日本代表・北窓絢音(21歳)。SAGA久光スプリングスのSVリーグ初優勝に貢献した
183cmの長身を活かしたスパイクやブロック、サーブだけでなく、しなやかな身のこなしで守備も得意とするオールラウンダーだ。2023年に行われたU21世界選手権ではリベロとして試合に出場したこともある。
昨シーズン、SAGA久光でポジションを掴み、日本代表に初選出。昨年のネーションズリーグで代表デビューを果たした。
「初めて入った時は、みんながすごく声をかけてくれたので楽な気持ちでプレーできた。純粋にバレーを楽しめていました」と、天真爛漫な笑顔で語っていた。
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昨年の日本代表のアウトサイドには、キャプテンの石川真佑と佐藤淑乃という攻撃力の高い2人がほぼ固定されていたが、北窓はサーブ力や守備の安定感を買われ、途中出場の機会は増えていった。
リリーフサーバーでも、オポジットでの二枚替えでも、最初は何もかもが刺激的で得るものばかり。ただ、代表で1シーズンを戦い終えた時、別の感情が芽生えていた。
真佑さんや淑乃さんを超えたい
代表活動を終えてSAGA久光に戻り、昨年9季ぶりに指揮官に復帰した中田久美監督と初めて対面した際、「あなたはまずどうなりたいの?」と問われた。
「真佑さんや淑乃さんを超えられる選手になりたいです。このチームでもエースのような存在になりたい」
北窓は、芽生えていた思いを素直に口にした。
「最初は、真佑さんや淑乃さんを見て、『あ、やっぱりすごいなー』とか『敵わないなー』と思ってしまっていたし、昨シーズンの久光でも、中島(咲愛)選手や深澤(めぐみ)選手に対して『すごいな。私にないものたくさん持ってるな』って。ずっとそうやって、うらやましがっているところがありました。
でもそれじゃダメだなって。向こうは思っていないだろうけど、私は常にライバルという気持ちで、その人ができるなら、私もできるようになって、例えば自分はもっと高い打点からそれができるようになろうとか、そこを目指さないと。それは昨年の代表が終わってから考えましたね。以前は、チームに貢献できる選手になれればいいなという気持ちだったんですけど、低いレベルの目標じゃなく、やっぱり“エース”という、難しいけどすごい存在というのを、私は目指していきたいなと思いました」
そこからはシーズンを通して、「エースになるためには何が必要か」を中田監督に問われ、北窓自身も自問自答してきた。

