フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
鍵山優真とマリニンのハグ「ユマは特別」「勝敗じゃなくて、友情がもっと伝わればいいな」“Z世代の選手たち”はスケート界をどう変えているのか?
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田村明子Akiko Tamura
photograph byAFLO
posted2026/04/09 17:00
世界選手権で2位となり、優勝したマリニンと抱き合った鍵山優真
マリニン「ユマは完璧に近いスケーター」
女子もそうだが、ここ数年の選手間の関係は変わってきている。かつてはライバルとは礼儀正しく接しながらも、一定の距離を保つのが当たり前だった。だが“ジェネレーションZ”の選手たちを見ると、国籍に関係なくスケーターコミュニティ全体の同胞意識が強くなりつつあるように見える。
優勝したマリニンを祝福していた鍵山は、日本の記者から「悔しくないのか」と聞かれてこう答えた。
「ここまで来ると勝敗がどうこうより、自分も含めてみんなのいい演技を祈って見ているので。ライバルでもありますけれど、みんなやっぱりファミリーだし仲間でもあるので、それが今のフィギュアスケート界の良さなのかなと思っています」
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一方マリニンも、鍵山のことをこう絶賛した。
「ユマは特別。考え得る限りの完璧に近いスケーターです。正直に言うと、僕よりも技術と芸術のバランスがとれていると思う。そしてとても心が優しい人。一緒にこのスポーツをプッシュしてきましたし、彼にはこれからもずっと続けてほしいです」
ISUのルール改定案にハッキリと懸念の声
もう一つ感心したことは、ISUが行おうとしているルール改定に対し、鍵山が堂々と反対意見を述べたことだ。
「僕は今のルールでフィギュアスケートの魅力が発揮されると思っているので。記事とかでショート、フリーの制度を撤廃する、みたいなのを見たんですけれども、それには僕は賛成することはできないのかなと思って……。アーティスティックな部分と、スポーツの競技性の緊張感が混じり合ってこその、フィギュアスケートの魅力だと思うので」
ISUが2年後の施行を目指している提案は、SPとフリーの代わりに、技術系のテクニカルプログラム(TP)と芸術系のアーティスティックプログラム(AP)にする。TPはジャンプが4つまで、APはアイスダンスのように、ジャンプなし、という驚くような内容だ。

