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鍵山優真とマリニンのハグ「ユマは特別」「勝敗じゃなくて、友情がもっと伝わればいいな」“Z世代の選手たち”はスケート界をどう変えているのか?
text by

田村明子Akiko Tamura
photograph byAFLO
posted2026/04/09 17:00
世界選手権で2位となり、優勝したマリニンと抱き合った鍵山優真
「文句なしです」鍵山が笑顔だった理由
フリーは212.87を獲得して、自己ベストスコアを更新。
「文句なしです。 言うことなし」。演技について聞かれると、そう言って幸せそうにウフフと笑った。総合306.67でイリア・マリニンに次いで2位だったが、彼が目標にしていたのは順位ではなかったという。
「世界選手権では、点数や順位より、自分の一番満足できる演技を目指してきた。オリンピックでの悔しさも残っていたので、きょうのフリーに関しては、最初から最後まで自分らしいスケートをすることを目標にしていたので。この結果以上に、自分が満足できる演技ができたことが一番良かったな、と思っています」
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GPファイナルも、ミラノオリンピックも銀メダルを手にした。だがいずれもフリーではミスが出ていた。
「このプログラムをどうしても完成させたいという思いがすごく強かったので、ジャンプだったり、1個1個のエレメンツをしっかり集中しながらこなせていたので、それがうまくいった要因だなと思っています」
「勝敗じゃなくて、友情がもっと伝わればいいな」
最終滑走だったマリニンがほぼノーミスの演技を滑り切った後、リーダーズチェアで見ていた鍵山は立ち上がって、目を輝かせて拍手を送った。マリニン自身も、コーチとハグを交わした後ですぐに鍵山の元に歩み寄った。
ライバル同士というよりも、まるでチームメイトに対するような抱擁だった。何か言葉を交わしたのか。
「『やっとシーズン、終わったね』『お疲れさま』っていう言葉を掛け合っていました。 本当に長いシーズンを過ごしてきていたので。お互いが、というか(佐藤)駿もだけど、本当に良い形でシーズンを終えられたことが、すごく良かったと思っているので。そこが、すごく素晴らしい。あの瞬間こそ、スポーツの価値というか……。勝敗じゃなくて、友情だったりっていうのが、もっと伝わればいいなと思います」

