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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「新しい感情を手に入れた」那須川天心が明かす“格闘キャリア初の敗北”…心に響いたトレーナーの言葉「ボクシングは宇宙」次戦テーマは「井上拓真戦の反面教師」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2026/04/05 17:00
井上拓真とのWBC世界バンタム級王座決定戦で格闘キャリア初の敗北を喫した那須川天心。敗戦後の心境や変化を明かした
「あの人の言葉は、漫画のキャラクターのセリフみたいでいちいちかっこいいんですよ。『いいか、ボクシングは宇宙なんだからな』って、自分の想像の上を超えてくる(笑)。宇宙もボクシングも無限なんだから、自分なりに引っ張り出してくればいいんだよっていう発想。ああそうだよなって思えるんです」
葛西の一言は、細胞レベルで反応できる。東京ドームで開催された「THE MATCH2022」での武尊戦、リングサイドにいた葛西から「メイウェザーを思い出せ!」との声が飛んだ。
「試合中に、葛西さんの声が聞こえてきて。なるほどねって思いましたよ。メイウェザーっぽくフッとよけたり、さばいたり、パンチを出したり。自分に必要なことを、思い出させてくれるんですよね」
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2018年大晦日、体重差のあるフロイド・メイウェザー・ジュニアとエキシビションで戦い、ダウンを喫して敗れたものの、タダでは起きないことを葛西も理解している。対峙したことでメイウェザーの技術を見よう見まねで表現できる。無限の宇宙から、引っ張り出した瞬間でもあった。
拓真戦においていろんなものを体に吸収した。あとは無限となってどのように出すか、葛西の言葉からヒントを得ようとしている。
拓真戦の“反面教師”が次戦のテーマ
拓真戦の敗北を経て環境を変えてきた。しかしながら彼にその感覚はない。これまでの格闘人生で歩んできた環境の割合を変えただけ。変わったのは、むしろ感情だと彼は言い切る。
「やるからには後悔したくない。もっとああいうこと、こういうことをやっておけばよかった、こういう人と練習しておけばよかったというのをなくしたい。やりたいと思ったことは全部やり切りたい。ボクシングを内側から知ろうとするだけじゃなく、ボクシングの外側から攻めていこうと考えています。この前の試合(拓真戦)の“反面教師”がエストラーダ戦のテーマですから」
4月11日、東京・両国国技館における元2階級制覇王者ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)とのWBC世界バンタム級王座挑戦者決定戦まであと6日。2024年6月にはあのジェシー“バム”ロドリゲスに7回KO負けでWBC世界スーパーフライ級王座から陥落したものの6ラウンドにはダウンを奪うなど激闘を演じており、35歳とはいえいまだその実力は健在だと言っていい。
悔しい思いは、常に心にうずまいて。
強敵エストラーダを乗り越えなければリベンジの舞台はない。エストラーダ戦への思いを、そして井上拓真への思いを聞いた――。


