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元プロ野球選手が“新聞配達員”に転身「銀行から2000万円借りた」「食べても食べても体重が減って…」前原博之が語る“過酷な修行時代”
posted2026/03/31 06:00
かつて中日で活躍した前原博之は今、新聞販売店のオーナーを務めている
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
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「食べても食べても体重が減っていきました」
中日で活躍した元プロ野球選手・前原博之は、48歳で新聞販売店の修行に飛び込んだ当時をそう振り返る。15年にわたってプロとして戦い、引退後はコーチ、球団職員として球界に身を置いてきた男が一念発起し、見ず知らずの世界へと挑戦した。
妻や子供の顔が脳裏に浮かんで…
修行先は名古屋の新聞販売店。店の近くのアパートに単身赴任し、毎日怒鳴られながら、本来なら数年かけて複数店舗を渡り歩いて学ぶ仕事を、わずか6カ月で習得しなければならなかった。3歳年上の社長は「おまえ、何やってんだ! まだ分からないのか!」と叱責し、部屋の隅に1時間近く立たせることもあった。
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「何度もキレそうになりました。でも、喉元まで言葉が出かかると、妻や子供の顔が脳裏に浮かぶ。『……我慢しなきゃいけない』とグッと堪えました」
現役時代、中日ドラゴンズで恐怖政治を敷いたとも語り継がれる星野仙一監督の下でプレーした前原に、「社長と星野監督、どちらが怖かったか」と問うと、迷わずこう答えた。
「星野さんが誰よりも怖いです」
ただし、その「怖さ」の質は異なるのだという。
「『怖い』の種類が違うかもしれない。星野さんは、決して脅さない。発破をかけるために『お前なんかいらん!』と怒鳴る人もいるじゃないですか。でも星野さんにそう言われたら、すぐに二軍です。言葉にウソがないから、怖いんですよ」
修行先の社長もまた、「半年で一人前にしないといけない」という覚悟で怒鳴り続けていた。傍らで見守り続けた60代のベテラン女性が、叱責のたびに小声で「次はあれだよ」と助けてくれた。半年間の修行を終えた打ち上げの飲み会で、その女性に「よく頑張ったね」と声を掛けられた瞬間、前原の頬に涙がこぼれた。
「人目もはばからず、大泣きしてしまいました。本当に辛い日々でしたから」
販売店の開業後も試練は続く。新型コロナウイルスの流行で折り込みチラシが激減し、銀行から2000万円を借りてどうにか乗り越えた。「今も返済は残っているし、住宅ローンもある。支払いだけで、毎月40~50万円は飛んでいきます」と語る現実は、厳しい。
本編では、修行時代から開業、そして奮闘する現在まで、さらに詳しく描かれている。
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この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。
