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「隅田の交代は、俺には理解できなかった」元WBC投手コーチが指摘する侍ジャパンの“設計ミス”…足りなかった“リリーフ専門家”「敗因は伊藤の失投ではない」
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遠藤修哉Naoya Endo
photograph byKYODO
posted2026/03/27 17:05
ベネズエラ戦、5回途中で降板する隅田知一郎(西武)
「あの交代は、俺には理解できなかった。ホームランを打ったガルシアは、隅田が低めに集めたボールを粘りに粘って、内角へのボールがわずかに甘く入ったストレートを完璧に捉えただけ。あれはもう、打ったガルシアが上だっただけで、相手を褒めるしかない一発。そのあとのアラエスは空振り三振にとった。隅田のボール自体はまったく悪くなかったから、続投させていれば、あと2回は抑えられたはず。しかも、隅田の後の藤平は1人を抑えただけで、次の回へ回跨ぎをさせなかったのも疑問だ」
「伊藤は本来は先発ピッチャー」
続く6回の表は藤平続投でなく、伊藤大海が登板し、5番右打者のトーバーに4球目をライト前ヒット、6番同じく右打者のトーレスにレフト前ヒット。そして7番左のアブレイユには逆転の3ランホームランを浴びた。
「アブレイユに打たれたのはシュート回転した内角の球。伊藤のボール自体は悪くなかったけど、ベネズエラの打者のスイングはみんな速かったよね。伊藤は東京五輪の時はリリーフで結果を出したけど、あれから何年も経っている。本来は先発投手なのに、急に救援でやれと言われてもやはり難しいということ。試合の途中からの難しい場面は、経験豊富なリリーバーに任せるべきなんだよ」
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武田氏が試合前に描いていた理想の継投策は、「山本5回、隅田2回、伊藤1回、そして抑えで種市1回」というものだった。山本由伸が4回69球でマウンドを降りたのは計算外だ。
「ベネズエラは日本の弱点を理解していたんだろう。山本由伸の低めの球がことごとくファウルされるなどして、予想以上に球数を要した。5回を投げさせたとしても、80球の投球制限に回の途中で達する。オレが投手コーチのときもそうだったけど、先発タイプの投手に後続を任せるなら、回の頭から投入したほうがいい。だから元々は先発投手である隅田を回の頭からいかせたのは理解できる。ただ、山本が1回早く降板してしまったことで、日本ベンチの投手運用にわずかに綻びが出てしまった」
大会前に相次いだリリーフ投手の離脱。それが侍ジャパンの投手陣に与えた影響は少なくなかったと言わざるを得ない。

