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「優秀な生徒がどんどん海外に…」WBCを経て“大谷翔平の母校”監督が語る「甲子園と世界」の危機感…外国出身選手の入学も「勝つためじゃない」
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田口元義Genki Taguchi
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/03/23 17:00
大谷翔平、菊池雄星らを輩出した花巻東高校の佐々木洋監督。息子の麟太郎はスタンフォード大に在学中だ
花巻東時代に高校生最多の通算140本ものホームランを記録したスラッガーは、日本球界垂涎の逸材だった。彼が高校3年だった2023年のドラフトで「上位指名は間違いなし」と太鼓判を押されたなかで表明した進路に、球界が衝撃を覚えたものである。
日本で「超目玉」と脚光を浴びる選手に異端の道を歩ませたことで、佐々木に去来したもの。それは有望な日本人学生が、世界に「巣立っていく」ではなく「奪われてしまう」という危機感だった。
「息子がいる関係で私もアメリカに行く機会があったんですけど、『このままじゃダメだ』と。本当に魅力のある高校にしていかないと、優秀な生徒がどんどん海外のエージェントに連れていかれてしまうんじゃないかと思いました。野球だけではない育成もちゃんとしないといけないんだと、アメリカの現状を見てすごく勉強になりました」
現在の野球部員にはドイツ出身の選手も
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花巻東野球部はこれまで、原則的に岩手県内の中学生しか受け入れてこなかった。それが昨年から門戸を開放し、各地から選手が集まれる土壌を構築している。
これは日本人に限ったことではない。ドイツから来日した2年生のマイヤー拓をはじめ、今後も欧米から選手がやってくるという。

