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「どこまでできるんだ、このアジア人」同僚に削られてケンカ…20歳貴田遼河がアルゼンチンで身につけた処世術「日本で経験できないことができている」
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茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byAaajoficial
posted2026/03/20 11:02
高原直泰以来となるアルゼンチン1部でゴールを奪うなど、着実に出場機会を増やす貴田遼河(20歳)。ロス五輪世代の一人として期待を集めている
――何かあったんですか?
「最初のうちは削られたり、ものすごく激しいアフターのタックルを受けたりすることがあって。あまりにやられ過ぎたので、スペイン語での文句の言い方もわからないんですが、削ってきた選手に向かっていったんです」
――それは一触即発ですね。
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「その後は他の選手が『やめろ、やめろ!』という感じで場が収まりました。そのあとに、僕をフォローしてくれたキャプテンのGKに感謝しているんです。彼はもともと日本でプレーしたことがあるんですが……」
――確か、ディエゴ・ロドリゲス(2018年にジェフユナイテッド千葉所属)がいるんでしたっけ?
「そうですね。ジェフでプレーしたのは1年間だけだったんですが、日本が大好きなんです。それもあってか僕がアルゼンチンに来た瞬間からインスタをフォローしてくれたり、DMでコミュニケーションを取ってくれたんです。トップチームに上がった当初から面倒を見てくれましたし、今もすごくかわいがってくれているんです。そのディエゴが練習後に言葉をかけてくれたんですよ」
――どんな風にアドバイスされたんですか。
「『アルゼンチンではこんなのは普通だから、ナメられないために行ったのは正解だ』『こういうことは続くから戦わないといけないよ』と言ってくれたんです」
――ディエゴの優しさに触れるとともに、そういったバトルが日常茶飯事なんですね。
「正直なところ最初は“どこまでできるんだ、このアジア人”という目で見られていた面もあると思います。だからこそ言葉は喋れなかったとしても、口頭で示していかないといけない。それも認められる1つの方法論なんだなと。ちなみにそれ以降は削られることはなくなりましたし、削ってきた選手とも仲が良いんですよ。そういうぶつかり合いも、やっぱり大事なのかなって今では思っています。それで言えば僕自身の話ではないんですが……」
驚かされた17歳の行動
――何か目撃したんですか?
「僕と一緒にトップに上がった選手が当時17歳だったんです。で、練習参加から3日目に32歳の選手と思いっきりケンカしてたんです。それを見て『いや俺、まだまだだな』と、思いました」
――いきなり15歳上のベテランに突っかかるとかは、日本ではなかなかないですよね。
「そんなことがあってもピッチを離れると仲良くなるのが、アルゼンチンらしさというか。僕が日本語を教えたりしてコミュニケーションを取ってるんですが、思ったのは……下ネタが好きな人、すごく多いなと」
――そうなんですか(笑)。
「日本だと大人になったら、さすがにそういう言葉を控えると思うんですけど、アルゼンチン人はむしろメチャクチャ言わせたがってくるんですよ(苦笑)」

